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とある帰国子女の何の変哲も無いブログ。最近はデュエルマスターズが中心の記事に。

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モンスターハンター・オリジナル小説。
第0章 「序」

プルルルルル…

プルルルルル…

プルル…ガチャッ

「はい、万ギルド長、クラウンです。」

こうして物語は始まった。

昼間。ガーランドシティ。その裏路地にある一軒の看板付の家らしき場所にて。

「だぁぁあ!だから!うちは!万屋じゃなくて!ギルド!わかったか?おい!」

ガチャッ。唐突に電話を切った万長。まったく、これでは話になりません。

「ったく、うちはくだらない雑技に時間を費やすほど、金がないわけじゃねぇし、
大体何回言ったらわかるんだ。ここはギルドだ!っああ~!」

グワッシャグワッシャという豪快な音が聞こえそうなほど、何気に少しさびしくなったような
気のする髪を掻きむしりながら煙草に手を伸ばす。

「だめですよ、万長。煙草は自らの身体能力を大幅に減少させるものです。この間禁煙
宣告したでしょう。」

そういいながら万長から煙草をひったくる。

「えぇ~?いいじゃん一本くらい~。それに、俺の体は逆だよ。身体能力の向上が可能なんだ。」

「ですから、それは煙草をくわえているほんの数分のみ、アドレナリンが放出され
興奮状態になり、身体能力が向上していると思い込んでいるだけです。
さっきもまったく同じ会話を繰り返したじゃないですか。痴呆が進んでるんですか?
やっぱり煙草の影響ですね。」

簡単な戯言。平和の象徴。私はこのひと時が決して嫌いではない。
…なのに、何故存在自体が戦争のようなこの男、もとい万長と一緒にいるのでしょうか。
答えは詳しくはわかりません。万長が言うには孤児院から引き取って育てたといっています。
記憶があいまいすぎてわからない私はそれで満足するしかないので、何も言いませんが。

「うぅ~。顔は可愛いのに口調が厳しいよなぁ、香(かおる)ちゃんは。」

香は私の本名ではないようです。ギルドネーム?のようです。万長がクラウン(私はこのネーミングセンスを
疑いますが)というGNと同じように。

「私は当然のことを言っています。反論できるものならしていただいて構いませんよ?
私を納得させることが出来るほどの言い訳があるなら、どうぞ。」

「だからさぁ。…」

プルルルルル…

言う間もなく、電話が鳴った。依頼だろうか。

「はい、万ギルド長のクラウンです。」

先ほどより大分やる気のない声で、しかし相手方にはやる気十分な感じで話す万長。

「はい…はい。了解しました。ええ、すぐにお伺いいたします。」

ガチャッ。電話を切った。顔つきは先ほどの甘えというか、そういうものがない。
一言で言うなら、凛々しい。
私は時々、この人は本当に何者なんだろうと思うときがある。

「クエストだ。報酬は悪くないが、俺には少々役不足だな。それじゃ、行ってくるよ。」

私の頬にキスをして行く万長。これは習慣なのでなれたものですし、
決して嫌ではないのですが…

「万長。やっぱり私、煙草が嫌いです。」

匂いが我慢できなかった。

「はは、ごめんね。分かったよ、今度から家では煙草すわないようにするよ。」

そういってもう一度頬に口をつけ、ドアを開け放ち、リオX装備一式を選び、
アーティラートを背負い、リズムの良い足取りで出かけていった。

「…さて、本日の晩御飯の買出しに行きましょう。」

私も、軽目の足取りで裏路地を後にした。



それは、常連からだった。

「クラウンか?クエストだ。砂漠に大型モンスターの姿を見たとの情報があった。
情報による大きさ、形、移動手段から予測するに、ドスガレオスだ。」

「ああ。報酬は?」

念のため聞いておく。報酬の良し悪しで選ぶわけではない。が、聞いておかねば後悔しそうだから
聞いておくのだ。

「☆4つだ。そんなに期待できないが、最近の付き合いも考えてボーナスを出そう。」

「分かりました。それではこれからお伺いいたします。」

可愛いメイド一式を着こなす香にいつもの挨拶をし、机にある煙草を鷲掴みにして店を出る。

「…ちっ。今日はクーラードリンクがいるかな。」

なるべく出費は抑えたいものだ。しかし香を残して死ぬわけにもいかない。
経費としてでないから、今日は香特製、作り置きの冷凍いちごで行こう。一口、食べてみる。

「ほふっ。…うん、やっぱり上手だなぁ。」

普通以上においしかった。なんだか興奮もしてきた。(闘争本能的な意味で)


「…こいつは報酬3倍だな。」

俺の目の前には今、ドスガレオスがいるわけだが。
やたらめったらでかい。明らかに下位の連中の手に負える物ではない。

手にある音爆弾、10個。幸い今日はなんだか気分がいい。
ドーピング、いわゆる煙草をくわえながら。
俺は、奴に向かった。

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